卵酒は風邪に効果ありというのは本当なのか薬剤師に尋ねてみた

冬になると、気温が下がります。
空気が乾燥します。
ですので、風邪をひきやすいですよね。
また、冬はクリスマスや年末のカウントダウン、年始のお正月など様々なイベントがあります。
イベントはとても楽しいですが、人がたくさんいるということは、ウイルスに接触しやすいということでもあります。
したがって、冬は、気候的にも、環境的にも風邪をひきやすい季節と言えますよね?
もしかしたら、今この記事をご覧のあなたは、風邪をひいていて、「なんか風邪に効く食べ物・飲み物はないかなぁ~」と検索している中で、卵酒という存在を知ったのかもしれません。
あるいは、風邪をひいている人の看病をしていて、卵酒が効くという噂の存在を知って、「本当なのかなあ~」と疑問に思い、この記事にたどり着いたのかもしれません。
そこで今回は、卵酒の噂の真相について、自分で調べた内容と、当薬局の薬剤師に聞いた話を記事にしてみました。
では、実際にどうなのか、早速見ていきましょう〜。
卵酒が風邪に効くと言われている理由は?
まずは一般的に、どういう仕組みで卵酒が風邪に良いと言われているのかを調べてみました。
そもそもなんですが、卵酒は
・日本酒
・鶏卵
・砂糖(はちみつ)
からできています。
で、これらがどのように風邪に効くのかというと、一般的には、「日本酒が体を温めて、卵の卵白に含まれているリゾチームが殺菌作用があり、塩化リゾチームは風邪薬としても利用されている」ということが言われています。
あくまでも、「一般的には」ですが。。。
ただ、やっぱり、「リゾチームってのが、殺菌作用があるんや…。でも、実際にはどうなんやろな?ちょっと謎やなぁ。。。」とも感じますよね?
私もあなたと同じように感じました。
ですので、自分でも、もう少し掘り下げてリゾチームについて調べてみました。
すると、以下の2つの事実が分かりました。
・厚生労働省が、「塩化リゾチームには、本当に効果があるのか、もう一度確認してね」という主旨の要請を行ったという事実。
・その再度の確認の結果を受けて、塩化リゾチームの風邪薬が2016年3月に販売中止、自主回収になったという事実。
この2つの事実を受けて、個人的には「じゃあ、卵酒って実は効果ないんじゃないの?」という印象へと変わりました。
そこで、当薬局の薬剤師に、卵酒について、「実際どうなの?もしかして効果ないの?」という疑問に関して、質問してみました。
以下では、卵酒の質問をした際の対話を再現したものです。
当薬局の薬剤師に「卵酒が本当に風邪に効果があるのか」確認してみた。
さて、それでは、当薬局の薬剤師に「卵酒って実際どうなの?」という点について尋ねた際のやりとりを再現してみたので、どうぞご覧ください。
このお話の内容をまとめた上で図解すると、以下のような感じになりますね。
もちろん、卵酒も飲み過ぎという点には注意しなきゃいけませんが、先生の話を踏まえると、「卵酒は、風邪に効く」というのも納得ですね。
結局、卵酒は風邪に効くの?
それでは、最後に今回のお話をまとめましょう。
・「卵酒は風邪に効く」は本当。
・「卵に含まれているリゾチームに殺菌作用があるから~」というのは、正しくない可能性が高い。
・お酒には、血管を開いて血の巡りを良くしてくれる力がある。(血液の循環がよくなると、それだけ血液の中にいる白血球が馳け廻ることができる。白血球は免疫に関わっているので、体の健康を保つにはとても重要な役割を担っている。)
・たまごのタンパク質は、細胞の元になっている成分。
・風邪の時には、エネルギーが不足しがちなので、糖分を摂取するのは理にかなっている。
というわけで…、
さすがに、「卵酒を飲めば、風邪がすぐに治る!」ということはないでしょうが、卵酒に含まれている成分を考えると、風邪で弱っている体が元気になるのを助けてくれるのは間違いなさそうです!
ですので、風邪の人や、看病している人は是非とも試してみて下さい。
【後記】
ちなみに…。
実は、わたしは卵酒の存在は知りませんでした。
風邪に効果がある食材について調べているときに、たまたま知ったんです。
「日本では、昔から風邪をひいた人には卵酒を飲ませてきました。」みたいに書かれていたので、「え?知らんのやけど…。」と思いつつ、自分で調べてみました。
で、当薬局の薬剤師に聞いたりしてみたわけです。
その結果、「卵酒は風邪に効く」というのは、理にかなった言い伝えということが分かったので、もっと、昔から伝承されている食材だったり、薬として重宝されてきた食材などを調べてみたいなぁと感じました。
それに関連して、先日「りんご1つで医者いらず」についての記事を書いてみたので、伝承の真相を知りたい人はご覧ください。