日本人に不足しがちな「ミネラル」とは?

日常的に偏頭痛が起きやすかったり、足がつりやすいといった症状はありませんか?
もしかしたらそんな方はマグネシウムが不足しているかもしれません。
今回は全ての細胞や骨に広く存在しているマグネシウムについてご紹介します。
マグネシウムの働きって?
マグネシウムは300種以上もの酵素の化学反応の反応速度を速める働きをしています。
ヒトの体内に存在するほとんど全ての酵素の力を発揮(活性化)する際にマグネシウムは使われています。
骨を強くするブラザーイオン
マグネシウムとカルシウムは「ブラザーイオン」と呼ばれるほど密接な関係を持っています。
カルシウムとマグネシウムはひとつひとつの細胞の中と外で正しい割合を保つことで血管の緊張を保ったり、心臓がきちんと動かすことができるのです。
最近の食生活では、カルシウム不足より、マグネシウム不足が深刻になってきているといわれています。
「ブラザーイオン」とも呼ばれるように、マグネシムとカルシウムどちらも摂取することを心がけましょう。
日本人はマグネシムが不足しやすい?
日本人のマグネシウム摂取量が低くなりやすい原因を知っていますか?
それは、日本の多くで軟水が飲まれているからです。
基準は国によって異なりますが、軟水と硬水を区分する計算式があり、
「カルシウム濃度(ミリグラム/リットル)×2.5+マグネシウム濃度(ミリグラム/リットル)×4.1」
で算出されます。
硬度を分類する基準にはいろいろありますが、この硬度100以下が「軟水」、101~300は「中硬水」、300以上が「硬水」というのがおおよその目安になります。
沖縄など一部の地域では、硬水の割合が高くなるものの、日本ではほとんど軟水が飲まれるため、外国の方に比べて日本人はマグネシウムが不足しやすいのです。
注意が必要な他の栄養素との繋がり
マグネシウムには、摂取する際に注意したほうがよい身近な栄養素が2つあります。
1つ目はビタミンB1です。
ビタミンB1は代謝の過程でマグネシウムと深い関係があります。
ビタミンB1の点滴や飲み薬はマグネシウムの欠乏が促進される可能性があるので注意が必要です。
2つ目はビタミンDです。
ビタミンDの大量補給はマグネシウムの尿中排泄を増加させます。
欠乏症などで、ビタミンDを大量に補充する際には、マグネシウムを併用することをおすすめします。
このように、ビタミンの中にはマグネシウムの排出を促進させてしまうものもあるので、注意が必要です。
マグネシウムをどれだけ摂ればいいの?
マグネシウムは、摂取量とは関係なく、ストレスなど外的要因により、吸収率が変わります。
厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査」によると、マグネシウムの平均摂取量は20歳以上の男性では264mg、20歳以上女性では234mgです。
食品からの摂取量だけで男性では100mg前後、女性では50mg前後のマグネシウムが毎日不足していると推定されます。
マグネシウムは藻類、魚介類、野菜類、豆類などに多く含まれており、あおさの素干し2gで32g、乾燥わかめも2gで1.1g、干しエビは大さじ一杯で31.2g摂取できると言われています。
他にも、サバの水煮缶(120g)には37.2mgアーモンドは10粒で31mgマグネシウムが摂取することができます。
まとめ
マグネシウムは藻類、魚介類に多く含まれているものの、日本人の多くは野菜から摂取しており、不足気味の方が多いです。
マグネシウムは長期的に不足すると骨に蓄えられていた分が別の場所で使われるために離れてしまい、将来骨粗しょう症のリスクが高くなってしまいます。
自分の足で元気に歩き続けるためにも、マグネシウムをしっかり摂りましょう!